ミラクルロマンス

月に代わって推し事よ!

和泉一織というアイドル

 

和泉一織というアイドルは、七瀬陸の隣で成り立つ存在だと私は思っています。

 

 

 

一織くんってIDOLiSH7じゃなかったらアイドルを選んでいない気がするんです。

17歳で、頭も良くて、なんでもそつなくこなすことができて。

アイドル以外の将来を選び取ることは容易にできるはず。

それに、分析を得意とする彼なら芸能界やアイドルという夢を売る職業の厳しさも予測できたはず。

 

 

小さい頃からずっと背中を見てきた三月くんの夢を叶えたかった。それが大きなきっかけであることは確かです。それでも年齢や学生であることを言い訳に退くこともできるし、「兄の夢を叶えたいから自分も…」なんて考えはきっと社長に見抜かれます。

 

 

三月くんと共に進んだ新しい場所で5人とマネージャーと出会って、「このグループの可能性に賭けたい」「このグループならトップアイドルになれる」と思えたことで、自分からIDOLiSH7になる事を選んだんじゃないかな、と。

 

一織くんは、自分自身というよりも自分の持つ能力に自信があるように見えます。ありのままを愛される自信はないけれど、自分の才能は絶対だと信じているというか。

だから、このグループならトップアイドルになれるという計算になんの疑いも持たずIDOLiSH7を選んだけれど、自分がIDOLiSH7に必要とされるための役割を見出さずにはいられなくてマネージメントを率先して行った。

事務所側が一織くん自身にアイドルとしての可能性を感じていても、一織くん本人は何か役割を果たさないとと思ったのかもしれません。歌って踊って笑ってってアイドルをすることだけでは、自分の役割を果たせないと感じたんですかね。

 

 

でも、マネージメントってアイドルじゃなくてもできるじゃないですか。アイドルでありながらマネージメントをする役割を選んだのって、やっぱり陸くんの存在が影響していると思うんです。

 

 

その存在と歌声を知った時に応援せずにはいられなくなって「この人を一番近くで支えたい」っていう気持ちが、彼にアイドルを支えるアイドルという役割を与えた。

恐らく一織くんが、天くんと並んで七瀬陸の訴求力に最も動かされた人間の1人なんでしょうね。

 

 

 

一織くんと陸くんの関係はお互いに支え合って高め合える強固さと、どちらかが崩れれば諸共に崩れてしまいそうな危うさも持ち合わせています。どっちかというと脆さの方が印象的な感じもしていました。

 

 

 

ですが、2019年末のブラホワ舞台裏で一織くんが度々口にする「スーパースターにしてみせる」に対して陸くんが「一緒になるんだよ」と答えたやり取りで脆いと思っていた関係性に、確かな強さを感じました。

 

 

自分の存在の意義がグループの一員であることではなくてマネージメントをすることや陸くんをコントロールすることであるかのように振る舞う一織くんに対して、IDOLiSH7の和泉一織が必要だってちゃんと言葉にできる陸くんがいることって奇跡じゃないですか。

 

 

和泉一織というアイドルは七瀬陸の隣で成り立つ。

そう改めて感じた瞬間でした。

 

 

一織くんの分析力とそれ故の当事者らしくない言葉は、色んな人からアイドルでいることにストップをかけられた陸くんにとって大事な甘い言葉であって

陸くんの一織くんの言葉を信じて必要とする姿勢が、自身の信じる正しさや支えたいという気持ちから起こした行動が空回りした経験のある一織くんにとって自分の存在意義になる。

 

 

 1人だと歪で不完全でお互いが絶対的に必要な、まさにパズルのピースのような関係性。

 

 

ここ何章か、お互いの歪さが少しずつ顔を出している気もしますが…。

 

 

有名になることだったり高く評価されたりすることをIDOLiSH7の成功と定義してそれこそが陸くんの望むものだと信じている一織くんと、7人で歌って踊ってアイドルをすることを自身の幸せと気づいた陸くんはどう分かり合っていくんでしょうか。

 

そして5人のメンバーはそれぞれIDOLiSH7の成功と自身の幸せをどう捉えるのでしょうか。果たしてそれは、ストーリーになるんでしょうか。

 

 

純粋にIDOLiSH7がトップアイドルになって七瀬陸の歌が沢山の人に届いて欲しいと願うからこそ「こうしたら頂点に近づける」という考えが浮かび、自身の分析力に自信があるからこそ未知数の爆発力を持つ七瀬陸をコントロールして自分の描いた未来図にイレギュラーが起こらないようにしている一織くん。

 

ただただIDOLiSH7の成功を願っているが故の行動なんだろうなと思っているので、怖いと表現するのは避けたいですが、やっぱり極端だなあと思うところもあります。

 

 

一織くんはIDOLiSH7が本当に好きで心からその成功を願っていると思うので、彼の考え方や気持ちがメンバーとの関わりでいい方向に形を変えていくんだろうなと期待してしまいます。

 

傷つくこともあるだろうし、自身の分析と全く異なるイレギュラーが生じて自分の持つ分析力に絶望するかもしれません。それでも、悩んで苦しんで、何かの能力に長けていなくてもありのままの一織くんが必要とされていると自覚して、名誉でも賞賛でもお金でもない彼自身の幸せを見つけてほしい。

 

その幸せもきっと、陸くんがいれば見つかると思うんです。桜春樹との関わりで数値化できない『気持ち』が左右する幸福感を理解し始めた陸くんだからこそ、一織くんの思考の歪さに踏み込めるんじゃないかなあ。

 


 

私の推しは一織くんなんですが、普段こんなに難しいこと考えないので改めて考えようとすると思っていたより好きなことに気づかされまして、推しはこう!って文章になかなかできませんでした。

 

遅れてしまったけれど、誕生日おめでとうございます。

あなたの夢が叶う未来でありますように。